「Bluesky」世界初のミートアップが東京で開催!開発者のエコシステムが熱かったTwitter黎明期を思い出す夜に

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Twitterを代替する可能性を秘めているSNSとして話題になっている「Bluesky」の開発者が、プライベートの日本旅行の途中、2023年4月7日に東京・銀座で世界初となるミートアップを開催しました。

日本在住の熱心なユーザーが会場確保など運営をサポートし、あいにくの雨で荒天にも関わらず、湯気が立ちそうなくらい熱心な約80人のBlueskyユーザー(Skyer?)が集いました。

ぼく自身も3月初旬から「Bluesky」を使っており、SNSとしての可能性や基幹技術となるATプロトコルに興味があったため、取材を兼ねて参加してきました。そのレポートとなります。

Blueskyミートアップは東銀座で

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世界初のBlueskyミートアップが開催されたのは、地下鉄の東銀座駅からほど近いレンタルスペースです。

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普段はダンススタジオとして運営されているスペースで、重厚かつクラシカルな雰囲気を醸し出していました。

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ぼくは取材スタッフとして、30分早めに現地入りしました。会場の設営や、初対面となるユーザーと開発者との対面など慌ただしく時間は過ぎていきました。

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会場には青いものを身につけた人も多かったです。「Bluesky」だから“Blue”ですね。

19時からミートアップがスタート

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19時より乾杯をしてBlueskyミートアップが開始(ちなみに会場はノンアルです)。Blueskyの計らいでソフトドリンクやピザが用意されました。

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今回、自身のプライベート旅行で日本を訪れていたWhyさん(@why.bsky.world)です。
Q&Aやユーザーとの記念撮影など大人気でした。

初期に「WhyさんからBlueskyの招待コードが貰える」というポストを「Nostr」で見かけていたのですが、ようやく本人に会うことができました。

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この日の通訳のため、京都からやってきたChadさん(@chadkohalyk.com)です。ChadさんによるとWhyさんは日本が大好きで、年に一回は訪れるほどだそう。今回のミートアップも、そんなWhyさんのプライベート旅行中に開催されました。

日本ではテレビでハッシュタグが使われるほどTwitterが浸透しているとか、アメリカに次ぐユーザーとか、日本におけるSNSの現状を知ったWhyさんが「日本のユーザーとミートアップしてみたいな」というきっかけで企画されたそうです。

急な呼びかけにも関わらず主催として迅速対応したのが、Shino3さん(@shino3.bsky.social)やkojiraさん(@kojira.bsky.social)、彩春さん(@saharu.bsky.social)、つるるんさん(@robo358.bsky.social)、鎌倉さん(
@omi.bsky.social)たちです。素晴らしいミートアップをありがとうございました。

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現地時間は朝の3時にも関わらず、アメリカにいる「Bluesky」スタッフ(Skyer?)もオンラインで参加してくれました。

左からCEOのJayさん(@jay.bsky.social)、コミュニティ担当のRoseさん(@iamrosewang.bsky.social)、そして開発者のPaulさん(@pfrazee.com)です。

オンラインで通訳担当して下さったのはKojiさん(@koji.bsky.social)でした。ありがとうございました。

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以下、取材メモです(もし間違いがあればご指摘ください)。

Paulさん

プロトコルは完成に近づいている。今は全体をうまく動かすことをしている。想定以上のインバイトが出た。Blueskyのデベロッパーツールがない中、みなさんが素晴らしいものを開発してくれている。みなさんの開発が進んでいるのはクールだ。

今はフェデレーションプロトコルをしめくくろうとしている。フェデレーションが終わったら、開発者ツールを作ってドキュメント化したい。

Blueskyの最も楽しい部分は開発者。大きなクライアントが作られてエキサイティングだ。ゴールは開発者のサービスがアプリケーションの一部になれば良いと思っている。

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普通はアルゴリズムは会社がつくるが、皆さんによって作られるものになると思っている。新しいソフトウェアをインストールことなく、ユーザーが作ったサービスにナビゲートしたい。

開発者がフィードの内容を開発できて、それをみなさんが使えるようになるのがすごいこと。このような形でどれだけ進められるか興奮している。開発者と共にこのプロセスを進めていきたい。

みなさんの声に耳を傾けて進めていきたい。これらのツールをみなさんのために開発することが仕事。

これからBlueskyがやろうとしていることについて説明します。チームはプロトコルのバージョン1を完成できるように頑張っている。恐らく1〜2ヶ月で完成するのではないか。コードは完成に近づいてなるべく早くテストのフェーズに入りたいと思っている。

テストと並行してドキュメント化し、インストールする簡単なソフトウェアを作りたい。夏にはバグの修正をやりたい。もっとたくさんのユーザーに使ってもらえるようスケール化も図りたい。とてもエキサイティングになると思っている、たぶん寝不足になるでしょう(笑)みなさんと一緒に進めることに興奮している。

Roseさん

会社では自分は技術畑ではない人間になる。私はいまたくさんのユーザーを追加することに集中している。多くのユーザー同士が繋がることを考えている。多くのユーザーの皆さんと繋がってミートアップしていきたい。何かあればご連絡を。

Blueskyに関する質疑応答、Q&A

BlueskyのアプリはTwitterとほぼ同じ。どういう違いを出すのか?

今回のはプリファレンス用のアプリ。将来的にいろいろなSNSに対応できるプロトコルを作ろうとしてる。ビデオなども対応できるようにしたい。非常にシンプルなものをいま作っている。

フィードのアルゴリズムを選べると情報の偏りの危険性かある。倫理的な危険性などの予測はあるか?

カスタムアルゴリズムも作成できるようになる。カスタムモデレーションもできるようになる、ユーザーが自分のためのモデレーションを利用できるようになる。

bsky.というサーバーがオフィシャルにあるが、どのくらいのマシンリソースで運用されているのか?

現在は伝統的なやりかたをしてる。基本的にPDSサーバーが小さくていいようにデザインしている。人が自分のものを立ち上げやすいように。

ATプロトコルバージョン1にはビッグワールドサーバーのスペックは含まれる?

ステージングでは動いている。公開予定は未定。

マイクロペイメントに関しては?ライトニングネットワークに対応する予定は?

長期的にペイメントを含むつもりだが、今はコアに集中している。どのようなペイメントを利用するかは決めてない、何も約束できない。

DM実装予定は?

イエス。夏の終わりに開発に取り掛かる。

日本人開発者によるアプリの紹介(Androidあり)

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「Bluesky」チームからのプレゼンに続いて、日本の開発者から「Bluesky」チームに向けてアプリの紹介が行われました。

当日のプレゼン内容は日本人開発者が制作したクライアントのご紹介 / The Client apps development by japanese.で公開されています。

BlueskyアプリがiOS版しかないことからiPhoneユーザー専用と思われることもありますが、Androidアプリやウェブサービスも存在します。招待コードがあればAndroidユーザーでも開始することができます(ただし利用は自自己責任で)。

Blueskyの閲覧に使用できるアプリ・ウェブサービスを抜粋して紹介しておきます。

Skylight(ウェブ)

Skylight Bluesky Style(Skylightのフォーク)

The Blue – 君とみた青空の先は(ウェブ)

TOKIMEKI Bluesky(ウェブ)

青雲(Androidアプリ)

「Bluesky」ミートアップに参加して

今日、Blueskyのユーザー数が10,000人を超えたことが明らかになりました。大変な盛り上がりのように見えますが、まだ10,000人ですし、日本のユーザーに限ればさらに少ないです。しかし、まだそれほど多くないユーザーから熱狂を感じるのは、本当に久しぶりのことです。

Web 2.0以降は、様々なサービスが安定していたと思います。特にTwitterやFacebookがこれだけ長く続いているのは、ネットのサービスとしては驚きです。YouTubeも長いですよね。Instagramだって相当です。

個人的に仮想通貨やWeb3などフィンテックには興味を持てなかったというのもあり、純粋に新しい技術に熱狂するこの感じを、久しぶりに味わっています(Mastodonも興奮しましたが)。

簡単に言ってしまえば、やはり開発者とミートアップするというのは非常に感情に訴えかけるわけですよね。好きだということを伝えられる、面白いと思っていることを伝えられる、そして開発者本人の口から説明を受けることができる‥‥ライブというのは、やはり大事なことだと改めて感じたミートアップでした。

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加えて「Bluesky」が素晴らしいのは、開発者がエコシステムに参加できる余白があることです。日本発の素晴らしいサービスやアプリが続々と誕生していますが、初期のTwitterを知る者としては、本当に目頭が熱くなるような話です。

あの頃も同世代の開発者たちが、クライアントアプリや連携するサービスを次々に開発し、そのおかげもあってTwitterは盛り上がりました。しかし、昨今のTwitterはそうしたサービスを切り離す施策を取り続けています。残念です。

でも「Bluesky」の姿勢は開発者ウェルカムですから、あの頃の熱狂の渦をもう一度体験できるかもしれないと思うと、本当にワクワクします。

世界初のBlueskyミートアップが日本で開催され、参加して熱を目の前で体験することができました。コミュニティにとっての1回目というのは本当に貴重で、そこに立ち会うことができたのは幸せな体験でした。参加者の熱量が素晴らしかったです。

しばらくは“Twitter代替”として話題になったり注目されたりすると思いますが、開発者に開かれたコミュニティが素晴らしいと思う夜でした。

実はBlueskyが開発してるのはATプロトコルというプロトコル(SNSの基幹技術のようなもの)であって、SNSとしてのBlueskyはそのショーケース的な位置付けです。ATを使うとこういうことができますよ、と。

隣に座っていた徳力さん(@tokuriki.bsky.social)が、しみじみと「Twitter黎明期みたいですね‥‥」と目を細めていました。開発者を中心としたエコシステムが立ちあがろうとしている、この夜明けのような雰囲気に、ぼくも同じことを考えていました。

いしたにさん(@masakiishitani.bsky.social)もミートアップに取材で参加していましたが、そういえば、我々3人がTwitterにユーザー登録したのは、2007年3月の河口湖ブログ合宿でしたね。あのときの3人がこのミートアップに参加したというのは、何かのめぐり合わせかもしれませんが、まあまあただの新しもの好きだと思います。

でも本当に楽しかったな。興奮したな。将来的にはATプロトコルにより様々なSNSが稼働するのが開発者たちの理想かもしれませんが、このコミュニティも末長く続くことを願ってやみません。

Whyさんも思いつきで実施したミートアップに、こんなにも熱い人たちが100人近く集まって驚いたようです。「このエネルギーが素晴らしい!」と語っていました。

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全くの余談ですが、ミートアップの前日に招待コードが無限に発生するというバグが発生しました。当初はバグなのかどうか分からず、どこまで発行できるんだろうとFacebookで知り合いに招待コードを送りまくってしまったのですね。最終的に56通をゲット。

後からバグだと判明して「やべ、やっちまった」と思い、Whyさんに「すんません、招待コードを50通以上使っちまいました‥‥」と自首したら目を丸くしながら「ナーーーイス!」と言ってくれたのでたぶん無罪です(でも招待コードの先取りとして2年間分を使い果たしたことに)。

現時点では招待コードが必要ということもあって必要以上に加熱しているところがあると思いますが、そう遠くなく誰でも参加できるようになるはずです。参加できたら、ぜひあっちでもお会いしましょう。青空でお待ちしています!

ぼくは @kogure.bsky.social です。

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追記:一部の人について、確認なく個人情報が見える状態で記事を公開しまいました。申し訳ありませんでした。現在は修正済みです。

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コグレマサト
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