
なりすましをされない権利として「アイデンティティー権」が裁判所で認定されたそうです。SNSでなりすましの書き込みをされた男性がプロバイダーに発信者の情報開示を求めた訴訟で、認められたというもの。SNSで成り済まされない権利「アイデンティティー権」初認定 大阪地裁、被害防止へ前進という記事になっていました。
インターネットの会員制交流サイト(SNS)で、自分に成り済ました書き込みをされたとして、中部地方の男性が、プロバイダーに発信者の情報開示を求めた訴訟で、大阪地裁(佐藤哲治裁判長)が他人に成り済まされない権利を「アイデンティティー権」として認定していたことが10日、分かった。
芸能人、有名人はもちろんですが、嫌がらせでなりすましをされている一般の人も少なくないのではないかと思います。どこまでが法的に権利侵害になるのか、これまで明確にはされていなかったものが「アイデンティティー権」として定着すると、早期の対策が可能になると期待されています。
「アイデンティティー権」は、大阪地裁での裁判で「他人との関係において人格の同一性を保持する権利」として定義されたそうです。
なりすましにより精神的苦痛を受けた場合には「名誉やプライバシー権とは別に、アイデンティティー権の侵害が問題になりうる」としています。
「アイデンティティー権」が広まれば、なりすましも減るでしょうか。ただし、今回は「成り済まし被害が1カ月余りと短期間だったことなどからアイデンティティー権の侵害を認めず」ということで、請求は棄却されたということです。
■関連記事
▼東京新聞:成り済まされない権利認定 大阪地裁、SNSで初の司法判断:社会(TOKYO Web)
この権利は憲法一三条で定める幸福追求権や人格権から導かれるとする一方、「明確な共通認識が形成されているとは言い難い」とも指摘。「どのような場合に損害賠償の対象となるような成り済まし行為が行われたかを判断するのは容易ではなく、判断は慎重であるべきだ」と述べた。
▼他人に成り済まされない権利認定 防止、早期の被害回復進むか – 共同通信 47NEWS
SNSでは、ネット上の匿名性を背景に、他人名義のアカウントを作って成り済ました人物が勝手な発言をするなどの被害が問題化している。新たな権利が定着すれば、このような行為の防止や早期被害回復が進むとみられる。