オシム日本代表、浦和レッズから大量選出のワケ

オシム監督代表発表、たったの13人という記事より。

4日に東京・本郷のJFAハウスで、就任初戦トリニダード・トバゴ戦(9日、国立)のメンバーを発表した。20人前後と予想されたオシムジャパン1期生は、過去に例のない少人数の13人。A3チャンピオンズ杯でG大阪と千葉、クラブ事情で鹿島勢らが招集できなかったため。妥協して人数を合わせることはせず、船出からオシム流を貫いた。

そして、オシム監督ドタバタ5選手招集という記事にもある通り、とりあえずは18人からの船出となりそうです。それにしても、いきなり13人というのは驚きましたけど。

ということで、現時点での18人は以下のようなメンバーです。

GK 川口 能活/ジュビロ磐田
GK 山岸 範宏/浦和レッズ

DF 三都主アレサンドロ/浦和レッズ
DF 坪井 慶介/浦和レッズ
DF 田中 マルクス闘莉王/浦和レッズ
DF 駒野 友一/サンフレッチェ広島

MF 田中 隼磨/横浜F・マリノス
MF 今野 泰幸/FC東京
MF 小林 大悟/大宮アルディージャ
MF 長谷部 誠/浦和レッズ

FW 我那覇 和樹/川崎フロンターレ
FW 佐藤 寿人/サンフレッチェ広島
FW 田中 達也/浦和レッズ

追加招集選手

DF 栗原 勇蔵 横浜F・マリノス
MF 中村 直志 名古屋グランパスエイト
MF 鈴木 啓太  浦和レッズ
MF 山瀬 功治 横浜F・マリノス
FW 坂田 大輔 横浜F・マリノス

W杯を見ていた人たちにはほとんど馴染みのないメンバーでしょうか。しかし、Jリーグを見ている人には、ある程度は納得のメンバーといえるかもしれません。それぞれの選手が、各チームで良い働きをしています。つまり旬の選手たちです。

個人的には、18人中7人も浦和レッズから選出されているのが驚きでした。オシム監督が視察した際に、浦和のGMに「全員が欲しい」旨のことを言っていたと見たのですが、本当にそのようになっています。

チームのセンターラインがしっかりしていないと強いチームにはなれないのですが、FW 田中(1列目)、MF 長谷部(2列目)、MF 鈴木(3列目)、DF 闘莉王(4列目)、GK 山岸は、まさに今のレッズのセンターラインです。

他チームがセンターラインに外国籍選手を補強することが多い中、レッズでは日本人選手でやりくりすることができています。

そして、中盤で豊富な運動量でしつこく相手をチェックする鈴木啓太、高さちリーダーシップを備えた闘莉王と俊足・坪井のデフェンスライン、神懸かりなセーブを連発している苦労人の山岸が、リーグ最少失点の“守り”を築いているのです。

ちなみに浦和レッズは11失点、次は川崎Fと清水の20失点ですから、いかにレッズのディフェンス陣が“乗っている”かが分かるでしょう。

攻撃に関しても、田中達也は復帰後に2戦連続のゴールを決めています。しかもドリブルで突破し狭いコースをつくなど、非凡なセンスも戻っています。

長谷部と共に、個人能力が高く動きが俊敏で、チームのために力を尽くすことができるという意味において選出されたのでしょう。

このあたりが、今のレッズの強さの象徴であり、オシム監督をそこを見ていたということなのではないかと思います(もちろんポンテ、ワシントンという素晴らしい選手もいますが)。

チームとしての力だけでなく、代表としてバラバラに集められた時にでも力を発揮できる、つまり個人の能力が上がっているということが、今回の浦和レッズからの大量選出の理由ではないかと思います。

それにしても、

川淵キャプテンも「ジーコなら『うん』といったはずだが、オシムは『おかしい』という。A3との関係を話して理解してくれているけれど、納得したように見えて納得していない」と話した。協会に雇われる身として、最終的には折れるのが今までの常識だった。しかしオシム監督は、最後まで首を縦に振らなかった。

このあたりは非常に嬉しいですね。この調子で、日本サッカー協会の“常識”を壊して欲しいところです。

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「(私は)代表の監督になったばかり。代表強化の日程に影響を及ぼすことはできないし、各クラブの活動にまだ口出しもできない。各クラブの日程、A3、代表という3つが重なってしまった」と続けた。指揮官が遠回しに伝えたのは、トリニダード・トバゴ戦にオシムイズムを知り尽くす千葉と昨季の優勝チームであるG大阪から選手を招集できないことへの不満だ。