ITがサッカーを進化させる?という記事より。
この分野へいち早くITによるデータ収集・解析手法を持ち込んだデータスタジアムに、「サッカー」というスポーツをどうやってIT的な視点で切り取り、活用しているのか尋ねた。
「エメルソンはドリブルからシュートが多い」とか「田中達也は身長が低いのにヘディングシュートが多い」だとか、感覚的には分かっていることでもそれを数字に表すと「ああ、なるほどね」と理解がより深まるケースが多いと思います。野球などと違い、サッカーは常にフィールドで22人の選手が動き続けるので、なかなか数値化するのは難しいだろうと思いますが、それをいち早く導入したデータスタジアムへのインタビュー記事です。
「ジュビロ磐田の得点シーンを分析したところで、フィールドの両翼を幅広く使った攻撃を行っていることがわかる」という画像があるのですが、これは確かに興味深い。
「サッカーには野球でいうスコアブックのようなデータをまとめる定型フォーマットがなく、まず、データ自体をどう定義づければいいかという問題がありました」
やはり、最初はここですよね。同社がサッカーのデータ化に着手したのは、1997年頃のことだったそうです。
当時、サッカーの日本代表を指揮していた岡田武史氏(現 横浜F・マリノス監督)がデータを重視するスタイルだったことから、同社も協力スタッフとして代表チームのデータを収集し、それを岡田監督に渡すという作業を行った。それが今、同社の提供しているサッカー分析・解析サービス「Date Striker」の基礎になっているという。
なるほど。岡田監督がこのようなデータを重視したのですか。と考えると、当然1stステージで優勝した横浜にもこのシステムが用いられているのは明らかで、選手起用などに活かされているということでしょう。選手の力、監督の力をサポートするために、このようなシステムが使われているのですね。
そのデータ収集方法は、誰から誰にパスが渡ったか、ボールを受けた選手がどうした動きをしたかなどといったアクションを一つ一つPCに入力していくというもの。
これは手間のかかる作業です‥‥。
実用化の契機として横浜FCにトライアル導入された際に、スカウティングや選手の査定に用いられたそうです。とかく数字がなければ印象で決まりやすい査定も、このシステムである程度の公平感が出るようになったのではないでしょうか。2004年には10チームで採用されているそうです。
実際に同社スタッフがデータ入力をしている現場を見ることができたが、選手がボールに触れるごとにVTRをストップし、その動きを逐一PCに入力していた。サッカーの試合は1試合90分。ロスタイムを入れても100分に満たないほどだが、一試合の入力には、慣れたスタッフでも10時間(600分)近くかかるそうだ。
これは大変な作業だ‥‥。しかもJ1だけでも同時に8試合あるんですからね。現在、同社のシステムはYahoo! のファンタジーサッカーを始め、各所でコンテンツとして利用されているそうです。