今敏の遺書に泣いた

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アニメーション監督の今敏氏が、膵臓がんで亡くなりました。オフィシャルサイトで遺書が公開され話題になっており、ぼくも読みました。いろいろな思いが頭をよぎり泣けました。

生きたくても、生きることができないという、現実。

ネタフルでも訃報を取り上げることはありますが、遺書を目の当たりにしたのは初めてです。死を迎える人が何を考え、どう行動したのか、いつか自分の順番が来ると分かっていても、簡単には理解することができません。

実は死は身近なところにあって、などと書くのはたやすいですが、それを実感する機会は多くありません。近しい人を見送っても、分からないことだらけです。

出来れば一目会いたい人はたくさんいるが(会いたくないのもいるけれど)、会えば「この人ともう会えなくなるんだな」という思いばかりが溜まっていきそうで、上手く死を迎えられなくなってしまいそうな気がした。回復されたとはいえ私に残る気力はわずかで、会うにはよほどの覚悟がいる。会いたい人ほど会うのがつらい。皮肉な話だ。

これを書いた人が、もういないなんて、思えない。

まだ46歳でした。心よりご冥福をお祈りいたします。

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