
缶コーヒーを飲むとき。それは外出先で。ホッとひと息つきたいときに。
この冬は、特に缶コーヒーを飲む機会が多かったように思う。缶コーヒーの種類は、なんでも良かった。温かくて、少しミルクが入っていて、少し甘さがあれば。
つまり、その味わいこそが、ぼくが缶コーヒーに求めていたものなのだろう。
家では一杯ごとにドリップしてコーヒーを飲んでいる。午前中に一杯、午後に一杯。昔は自分でコーヒーを淹れるなんていうことはなかったけれど、今では日常になった。家では少量のミルクを入れている。
外でコーヒーを飲みたくなった時は、缶コーヒーを買う。

この冬、特に缶コーヒーを飲む機会が多かったのは、子供のサッカーの試合観戦が多かったからだ。クルマを1時間走らせて、北に向かう。冷たい北風が吹いて、さらに体感温度は下がる。ハーフタイム、温かいものが欲しくなる。運転して頭も身体も少し疲れているから、甘いものが良い。
自動販売機やコンビニで、なんとなくカフェオレを買う。だいたいは白い缶が多いだろうか。ミルクで和らぐ苦みと甘さ、小さな熱い缶でつかの間の暖を取る。
基本的に、家で飲むコーヒーと、外で飲む缶コーヒーは、全くの別物だと思っている。自分で淹れたコーヒーを外に持ち出すこともないし、缶コーヒーを家に持ち込むこともない。
自分でドリップしたコーヒーもぬるくなれば美味しくはないし、それは缶コーヒーとて同様だろう。それぞれのシチュエーションでこそ、それぞれのいちばん美味しい瞬間が楽しめると思っているからだ。
家で飲むなら、コーヒーを淹れた瞬間。
外で飲むなら、自動販売機から出てきた瞬間。
しかし、それほど缶コーヒーの銘柄にこだわりはなかったのだ。これまでは。
理想の味わいだった「キリン ファイア エクストリームブレンド」
仕事で記事を書いているのだからお世辞だろうと思う人も少なくないかもしれないが、実際に香ばしさを売りにした焦がし焼きの5種類の「キリン ファイア」を飲み比べるということをしてみて、自分が缶コーヒーにどんな味を求めているのかはっきとり分かったのだ。