ソフトバンク孫社長の後継者だったGoogleからやってきたニケシュ・アローラ副社長が退任

2016 06 22 1046

ソフトバンク孫社長の次のCEO、後継者として目されていたニケシュ・アローラ副社長の退任が発表されました。当社代表取締役副社長 ニケシュ・アローラの顧問就任についてというプレスリリースが出ています。副社長を退任し、顧問に就任します。孫氏が引き続き社長として事業を継続するとしています。

ニケシュ・アローラは、最高事業責任者を務めていた Google より、2014 年 9 月に当社へ入社しました。ニケシュ・アローラの在任期間中に、当社は、Snapdeal、Ola、Oyo、Grofers、Housing などインドで最先端の成長ステージにある企業群へ投資しており、また、韓国のモバイル E コマースの Coupang や東南アジアでライドシェア事業者の Grab への投資を通じアジアにおける足場も拡張してきました。 米国においては、革新的な手法で融資や資産管理を手掛けるフィンテック企業であるSoFi、データ分析を活用して事業展開する Banjo へも投資し、米国内ポートフォリオを構築しました。最近では、負債レバレッジを下げて長期的な財務体質の改善を目的として当社保有の Alibaba Group 株式の一部売却も行い、また、当社子会社保有の Supercell の株式については計約 73 億米ドルで売却する取引に合意しました。

孫社長はニケシュ・アローラ退任の理由を、次のように語っています。

・60歳の誕生日にソフトバンクグループの経営を引き継いでもらおうと考えていた

・しかしやり残した仕事があると感じていた(ソフトバンク 2.0の構想をよ
り強固にしスプリント・コーポレーションを甦らせるなど)

・これらには5年から10年はかかる

・ニケシュ・アローラを待たせてはいけない

表向き‥‥ということかもしれませんが、このように語られています。

ニケシュ・アローラは「ソフトバンクグループの変革においてマサを手助けし、変革の種まきができたことは非常に大きな経験でした」としています。

代表取締役の異動(退任)に関するお知らせでは、孫社長が「当面は当社グループのトップとして指揮を執り続ける意向です」として、一方で「アローラは、数年のうちに孫に代わって当社グループのトップとして指揮を執りたいとの意向でした」ということで、そこに齟齬があったと説明されています。

ニケシュ・アローラがGoogleからソフトバンクにやってきたのは、2014年7月でした。Google最高事業責任者ニケシュ・アローラ氏が退社 → ソフトバンク幹部に就任へという記事を書いていました。

ソフトバンクの次期CEOと目されていたニケシュ・アローラが退任によると「今年に入ってからは匿名のソフトバンク株主グループからの圧力にさらされていた」ということもあったということです。

ソフトバンク、ニケッシュ=アローラ副社長が電撃退任(山本一郎) – 個人 – Yahoo!ニュースでは「手広く投資を重ねてきたソフトバンクの投資手法について副社長就任前からきわめて批判的な言動が目立っていました」とし、ヤフージャパンに「子供の砂場にも等しい若い経営者が、将来性も考えずに好き勝手やっているだけで、まったく魅力を感じない」など批判がされていたことも紹介されています。

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SoftBankのアローラ氏は現グーグル社長で同じインド人のピチァイ氏のライバルだったらしいけど、孫正義氏と同様に恐らくアクの強い創業者のラリー&セルゲイと上手く関係を築く政治力がピチァイ氏にはあり、アローラ氏にはそれがなかったのが両者の差になった気がする。