次に“Swicth”するのは君だ!

アップルが、モニター50人にiMac、MacBookを渡し、それを各人のブログで10回以上のレポートを書いて貰うという「Start Mac体験モニター」というプログラムを開始しました。

Start Mac Start

偶然、知り合いが多く参加しているので注目していたのですが、中でもWindowsユーザだった和田さんがどうやってMacを触っていくのか、というのは興味津々でした。

和田さんは疑問に思っていることを何でもブログに書いているので、それを読んで、ついついぼくもSkypeで余計かな思いつつアドバイスしてしまったりして。参考になっているみたいなので良かったです。

Appleには“エヴァンジェリスト(伝道師)”という仕事があるように、もともとMacユーザには“教えたがり”が多いのが特徴だと思います(数が少ないので結びつきが強かったりして)。

身近にMacユーザがいるならば、Macを選ぶというのは非常に良い選択肢だと思います。勝手にいろいろ教えてくれるから。とはいえ、ぼくが知人からアドバイスを求められてお薦めするのは、ここ10年くらいはWindowsでした。その人の周りには、きっとWindowsユーザが多いと思ったから。

しかし、ここ数年で状況が大きく変わりました。

まずApple Storeの誕生です。マシンの調子がおかしくなったとか、分からないことがあるとか、疑問があった時にエキスパートに聞きに行くことができるのです。

ぼくも何度か利用しましたが、これは本当に安心です。まだ店舗自体は大都市にしかないので、これからもう少し数が増えてくると、もっと安心してMacユーザが増えていくのではないかと思います。

そしてもう一つがブログです。

ブログで疑問を投げかけているMacユーザがいれば、誰かしらがサポートしてくれる気がするのですね。特に今回の和田さんのケースでは、エントリーが書かれる度にコメントやトラックバックでアドバイスが届いているような状況です。

MacBook~トラックパッドの設定を変更というエントリーで、

(というかマニュアル見ろよと、そろそろ誰かに突っ込まれそうですが、最初に見なくてもできちゃったのでつい面倒でそのままで・・・)

と書かれているのですが、Macはある程度はマニュアルを読まなくても直感的に操作できてしまうということはあると思います。ぼくもマニュアルは見たことがありません。

でもやっぱり、聞かないと分からないこともあるので、そういう部分で今回は初心者の和田さんに先輩Macブロガーたちが全方位的にアドバイスしているような状況が生まれているのだと思います。

むしろこのままマニュアルを読まずに、ブロゴスフィアの力を借りてどこまでやれるかチャレンジして欲しいところです。

そして!

その和田さんの辿った足あとが、これから“Switch”する人たちにとって素晴らしいアドバイスになるのだと思います!

Windowsユーザ初めてのMac体験(MacBook)としてカテゴリーがまとめられているので、興味のある方はぜひご覧ください。豊富な写真、フレンドリーなテキスト、寄せられたコメントやトラックバック、そして最近では動画も登場しています。

アップルが一生懸命にCMをするのも大切な一方で、CMでは届かない人たちにリーチしてボトムアップしていくことができるのはブログならでは、かもしれません。

そしてモニターに当選した人たちが自発的にコミュニティを形成し、Macが届く前から情報交換をして盛り上がっているんですから、もうこの時点で「Start Mac体験モニター」は大成功なのではないでしょうか。

アップルが素晴らしかったのは(できそうでできないのが)、ブロガーが書く内容に関して一切の制限も設けていないことです。それだけ製品に自信があるということだし、良いことも悪いことも全て受け止める、というメッセージですよね。この姿勢は見ている人たちに響くはずです。

バズマーケティング、成功の秘訣は「商品の品質」と「ネタの濃さ」というエントリーで、バズマーケティングの秘訣として、

・品質が良い
・ネタが濃い

という話を紹介しました。

今回の「Start Mac体験モニター」は、この法則に合致していると思いませんか。Macの品質が良いのは、ハードとOSを含めて使っている人だったら理解できると思います。モニターしている人もきっと分かっている貰えるはずです。

その上で、

・50人にMacを渡すというインパクト
・Mac初心者たちが入り込む迷宮というコンテンツ
・さらに周囲にいるMacユーザたちが勝手にネタを濃くしていく

という、もしかするとアップルの想像していた以上にバズが巻き起こっているのかもしれません。

聞くところによると、アップルは以前にもモニタープログラムを実施していたらしいのですね。なので、今回はその経験を踏まえた上でのことになります。アップルにはバズマーケティングに関するノウハウが着実に蓄積されていたことになります。

このように大切なのは、バズマーケティングを実施したい企業が、そのノウハウを蓄積することです。誰かに任せてしまうのではなく、自分たちがその方法を知っておくことが重要だったりします。アプローチされる側のブロガーとしても、企業の“生の声”に触れたいという思いがありますから。

「Start Mac体験モニター」の結果というか、アップルがどういう風に考えたか、捉えたかはぜひどこかのインタビューで読みたいですね。