【基調講演2日目】境界線をなくすクリエイティブの素晴らしい才能を持った人たち 〜マイラ・カルマン、ブランドン・スタントン、エル・ルナ、バズ・ラーマン #AdobeMAX

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「Adobe MAX」2日目の基調講演は、1日目のテクニカルな話とは打って変わり、クリエイティブの才能を持ち、クリエイターにインスピレーションを与えることができる人たちが登壇しました。マイラ・カルマン、ブランドン・スタントン、エル・ルナ、そしてバズ・ラーマンといった人たちです。

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ちなみに、壇上方向から会場はこのように見えています。

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最初に壇上に上がったのは、Adobeのスコット・ベルスキー氏です。

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会場にいるAdobeスタッフを紹介しました。

スコット・ベルスキー(Scott Belsky)

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今日は、クリエイティブコミュニティーにスポットをあてる。クリエイティブの素晴らしい才能を持っている人たちを呼んだ。クリエイティビティはツールではない。クリエイティビティはリサイクリングという素晴らしい資産ではないかと考える。私たちは貢献する人であり、与えることができる。

今日は境界線をなくす人たちを集めた。非常に進歩的な人たち。どのように彼らはここに立ったのか、それを話してもらう。

マイラ・カルマン(Maira Kalman)

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参考:マイラ・カルマン: 絵を描く女 | TED Talk | TED.com

作家でありイラストレーターであるマイラ・カルマンが彼女の人生や、ニューヨーカー誌の表紙や子ども・大人向けの本を手掛けた仕事について語ります。カルマンが描く本のように、彼女の賢くて風変わりな素晴らしい性格が感じられます。

「アメリカの地図を書いてくれ」と言っても、なかなか書けないのもである。私の母の地図は面白かった。これが彼女のアメリカ。

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地理は得意ではない。なぜ、この地図が私にとて重要だったのか? 実は、これがうちの子育てだった。どんなに素晴らしいのかを見せることではなかった(いい意味でいい加減だった母親)。

いったい自分が誰であるのか? 自分をどう表現するか、が私のインスピレーションになった。

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9.11の後の地図。いろいろなことがあって考えた。ニューヨーク族というものが生まれている。世界を大きく変えた悲劇を、ユーモアに変えようとしたした。

人生というのは誰に取っても大変なことがおこる。生き残るには望みを失わない。楽観的な気持ち、ユーモアを大切にするのが重要。私はユーモアのある家族から生まれた。

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毎朝、儀式のようにコーヒーを飲む。とにかく生きていて朝コーヒーが飲める、それだけじゃないかと思う。時間は無限ではない、何がおこるか判らない、今を大事にする。時間をどう使うかが重要。ライターになろうと決めた。すべての言葉はできない、イラストを組み合わせたらどうか?

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茹でたチキンは私の人生を語っているといっても良い。旅行である日、この1枚だけを撮った。なぜか? 1日の中ではっとする瞬間を撮影している。情熱や愛情を感じた被写体を撮る。

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壊れたものを撮るのも好き、スリルを感じるから。私たちは壊れやすい、壊れても生き続けていなくてはならない。

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人物も好き。モスクワで出会った男性。

「思ったことを全て書いたらあなたと誰も話をしなくなるよ」と母はいった。これは真実かもしれない。

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やめないことが重要。簡単に何かが与えられるものではない。どのようにして自分の直感を使えるか、ユーモアを使えるか。

いつもショーで使っている格言。ミゼラブルであっても続けないといけない。

ブランドン・スタントン(Brandon Stanton)

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参考:きっかけは1枚の写真、NY貧困地区の学校に1億4200万円の寄付金 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

スタントン氏はニューヨークの一般市民を撮影した肖像写真を、相手の人生を端的に表す発言とともに投稿するブログを運営しており、交流サイトのフェイスブック(Facebook)で1200万人の「いいね!」を獲得している。

NYのストリートを1万回くらい歩いて写真を撮ってきた。「HUMANS OF NEW YORK」というサイトを運営している。

ニューヨークの街のストリートのいろいろな人の写真を撮っている。簡単にインタビューし、それをブログに書く。話の中から、ストーリーを選んでシェアする。現在は1,500万人のフォロワーがいる。「HUMANS OF NEW YORK」は5年前に始まった。

シカゴのトレーダーとして働いていた。仕事がうまくいかなかった。この仕事を守るために、こんなにエネルギーを使っていいのか。うまくいかなくてもなんとかなるだろう、と考えた。どうやさてクビにならないか、クビになるのが怖かった。

しかし、ある日、クビになってしまった。

2年間に渡って仕事に費やしてきた、やめた日は素晴らしい日だった。そしてシカゴの街を歩いた、この時間はどんなこともできると気付いた。考えたことが全てが実現できる可能性が広がったことに驚いた。

今まではお金だけ考えてきた。本当はクリエイティブな人間だったことに気づいた。今まではお金が優先だった。保険が大事だった。

そこで決心した。これからは変わっていくんだ、やりたいことをして過ごすと。最低限を稼いでやりたいことに時間を使うんだと。

そこでカメラを買い、シカゴを毎日歩いた。毎日、何千枚も写真を撮った。成功やお金のことは考えなかった。仕事をなくした時に写真家になろうとした。友達に写真を売りまくった。なんとかしてニューヨークに移りたかったから。

今まで人生で最も変わった瞬間は?

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「HUMANS OF NEW YORK」を作るきっかけになった写真がこれ。初めて人物を写した。他人だけど、お互いの子供が同じ写真を見ていた。最初は「子供を撮ってもいいのかな」と思った。ファインダーを覗いた気持ちを覚えている。

今までカメラのプロでも撮れなかったような写真を撮ったという達成感があった。充実していた。

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それからニューヨークに移り、1万人を撮影した。「HUMANS OF NEW YORK」に、ニューヨークで自分の人生をかけることにした。私ができるのは写真が好きだ。ニューヨークの人物を撮ってみよう。最初は人に話しかけることもなかった。

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何ものせるものがない、という状況があった。そんな時、この女性に出会った。毎日違う色の服を着ていた、たまたまグリーンだった日が、いい日だった。それからグリーンを着るようになった。写真は面白くないけれど、言葉は面白いと思った。

なぜこの道を選んだのか? 人に会う恐怖を克服することだったのか?
「HUMANS OF NEW YORK」が、私の旅になった瞬間だった。ストーリーを語るために撮ろう、と。

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最初は5〜10分だったのが、30〜40分も話すようになっている。そこでその人について何かを学ぼうとしている。その人をユニークする存在を知ろうと。人の哲学は同じ場合があるが、ストーリーは違う。

知らない人に話しかけるのは怖い。しかし今まで誰も話さなかったことを私に話してくれる。どうしてこうなるのか? 何に一番罪を感じる? とか聞いてしまう。怖かったことは? ハッピーだったことは? 。そうすると強い感情が帰ってくるということが分かった。感情の伴うストーリーを探している。

大統領にもインタビューした。人に会うのが怖いということを克服することができた。誰でもやりたい人、なりたい人になれるだろう、みなさんもぜひやってみてほしい。

エル・ルナ(Elle Luna)

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参考:イベントレポート:IDEOディレクターElle Luna氏とOneSheetの創業者Brenden Mulligan氏による「Startup Strategy」

世界的に有名なデザインコンサルタント会社「IDEO」の元ディレクターElle Luna氏

もともと私の夢から始まった。白い部屋。

平和な気持ちに包まれた、それだけ、そんな夢を見た。何度も何度も見続けた。この夢はどこから発生するのか?

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「自分の夢が現実になったらどうなると思う?」と聞いてくれた友人がいた。もしかしたら素晴らしい夢の中には、もっと大きなインテリジェンスがあるかも。

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私が探しているものは、向こうも私を探しているのでは、と思った。数週間探し、ある日、見つけた。部屋が売り出されていた、オープンハウスの案内が出ていた。

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しかし「なんで私はこの部屋にいるのか?」と思った。部屋はペイントして欲しいと言っていた。私は高校大学時代にアートをしていた。

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ピカソの記事を呼んだ、アリアナ・ハフィントンの記事。やっていることと、あるべきことが違ったらどうか。自分が仕事になっていた。スタートアップ企業にいたが、毎週水曜日にリリースした。成功した。

最も成功した瞬間だったが、疑問もわきはじめた。喧騒から離れて、何をやるのか、どう生きたらいいのか、そういう部屋に逃げたかった。

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「SHOULD」と「MUST」は違う。「SHOULD」は他人からの期待、やらなければならないこと。「SOULD」の道を選ぶとき、他人のために選ぶ道となる。「MUST」の道が自分が渇望する道。人生の中でもっとも大切な選択となる。

ゴールもいらない、休息が必要だった。

みんなこうしたクロスロードに何度もぶつかるはず。「SHOULD」なのか「MUST」なのか、選びましょう。

なぜ「MUST」をいつもえらばないの?

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本を出版するためにたくさんの人にあった。同じテーマが出てくるのが興味深い。

本当に「MUST」を持たないといけないの? どうやって見つける? お母さんに電話したらいいんじゃない? 「MUST」は子供の時はあったはず。何が好きだったか。何をやりたかったか。自分自身を感じたのはいつか?

「MUST」を選ぶのは難しい、怖いことでもある。やりたいことは仕事をやめなくてもできる。

Mにはスペースが重要。私にはホワイトスペースだった。みなさんのスペースはどこにある? 自分のための時間を作ることが大事。

忙しくてMを選べない? 忙しいことに熱中してしまっている? 「MUST」を選ばない本当の理由は、怖いから。「SHOULD」はやらなければならないこと、生まれた時から始まっている。どうやって世界で生き残るか、それを教えてくれるのが「SHOULD」。

大きくなると進化する、目が覚める。「SHOULD」は家族、コミュニティー、文化から受け継いだものだと分かる。自分が進化していく、自分が何者になるかに関係ないなら「SHOULD」を落とすべき。大人は「SHOULD」の世界で生きている。

刑務所から逃げるためには、刑務所にいることを知らないとならない。本当に自由になりたければ理解しなければならない。なぜ自由ではないのか。自由を妨げるものはなんなのか。「SHOULD」はなんなのか。

誰でも「SHOULD」がある。それがあなたの監獄。

「女性だから○○しなくちゃいけない」なんていうのもあるかもしれない。広告はいう、若々しくないと、痩せないと。そういうのを見るとプレッシャーを感じる。しかし若いパワーを感じないといけない。

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「SHOULD」は監獄といってもいい。「MUST」を解き放ってくれない監獄。自由になりましょう。みんなができますよ。ひとりひとりのユニークさを忘れてはいけない。みんな自分にあたえられたものを実現するだけ。一つだけやることがある。小さなステップを歩んでください。

バズ・ラーマン(BAZ LUHRMANN)

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参考:バズ・ラーマン – Wikipedia

これまでの作品では、古典的なストーリーを鮮やかな映像とゴージャスなセットで蘇らせ、またスピード感のある映像も特徴。2001年公開の『ムーラン・ルージュ』は第59回ゴールデングローブ賞監督賞にノミネートされ、作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞した。

最後に映画監督のバズ・ラーマンが登壇しましたが、同時通訳の機器の調子が悪かったため、割愛させて頂きます。

「Adobe MAX」の取材に関して

Adobe主催のメディアツアーに参加しています。

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コグレマサト
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