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AMNが主催する「ソーシャルメディアサミット2011」に、AMNブロガーとして参加しています。

続いてのパネルディスカッションは「Facebookは今後日本でどうなるのか?」で、パネリストは良品計画風間公太氏、エスワンオー佐藤俊介氏、ANA高柳直明氏。

徳力:そもそもどういう目的で運営しているか?

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風間:2001年から自社サイト内でものづくりコミュニティというサイトを設けていた。身体にフィットするソファなど。何かウェブを使ってお客様とコミュニケーションする土壌はあった。

ものづくりコミュニティが2009年から商品開発だけでなく、ライフスタイルも考える暮らしの良品研究所というサイトになった。

一つの課題として、もらったコメントを紹介するのに編集だったりページを作るといったタイムラグが生まれていた。それをよりスピーディーにできないか。そこでFacebookを使った。コミュニケーションの可視化ができれば、というのが開設の目的。

徳力:ウェブサイトでやっていたことをFacebookでということ?

風間:たくさんの意見をもらうが、それを編集してサイトを作るとなると、1週間から10日間かかってしまう。対応方針はサイトもFacebookも同じ。質問に対しては極力返事をするようにしている。

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佐藤:もともとITの広告代理店をやっている。アメリカのアドテクノロジーを使って広告を運用するのが本業。アパレル屋ではなく、ITが本業。最初はアパレルっぽくやっていたがノウハウがなかった。ITで勝負しよう、と。

もともと広告業ということがあり、どうブランディングするかに力を入れた。結果を出すことで、広告営業に真実味がわく、そういう事例を作ろうとした。

日本のアパレルブランドが停滞している中で「フロムジャパン」をやりたかった。日本から海外に出ているブランドでメイドインジャパンはあまりない。

Facebookでアジア行きのチケットを買っていくというシナリオがあった。アジアの人たちに知ってもらう、というのが目的。Facebookありきではなかった。ソーシャルメディアだから、ということもなかった。

日本語で書くとアジアの人が喜んでくれる。

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高柳:もともとは北米のマーケットをターゲットにしていた。ANAというと海外で全く認知がない。ソーシャルメディアのプラットフォームで接点を持ってコミュニケーションを進めている。

日本はANAのファンと繋がりを持つためにやっている。サイトは完全にECサイトである。航空券を売るサイトなので、コミュニケーションはほとんどなかった。Facebookのプラットフォームを使い、ファンと繋がることを進めている。

徳力:わざわざFacebookを選んだ理由は?

高柳:プラットフォームの魅力。写真や動画を残しながら、持続的にコミュニケーションすることができる。もともとは自社サイト内で実名のハンドリングにも慣れていた。ファンページということで、企業が入りやすかった。

徳力:まずプラットフォームについて説明しないといけない。上の人に説明するのはどうしたか?

高柳:人との繋がりを基礎として話すと同時に、全世界で使われている、ゆくゆくこうしたいと話した。トップも世の中がソーシャルメディアになりつつあるのは理解していた。決め手はグローバルスタンダードで世界で認知されること。お客さんに乗ってもらうためのマーケティングツールとして重要だと。

徳力:実際に使って予想と違って良かったことは?

高柳:ファンが温かくコメントも多い。今のところネガティブな反応や炎上もない。

風間:ANAと似ている部分が多いが、Facebookの前にツイッターをやっていたが、やはりメッセージやコメントが、ほぼポジティブである。

なかなかポジティブな声を商品開発のスタッフや社内の人間が得るのは今までだと多くはなかった。どうしてもクレームがクローズアップされてしまう。そういうことが社内で共有できるのは、モチベーションに繋がる。

徳力:ツイッターとFacebookの違いは?

風間:コミュニケーションという観点でいうと、今のところ1対1の繋がりずツイッターに強いと感じる。ファン数、フォロワー数が違うが(ツイッターの方が多い)、こちらからのツイートに対するやり取りの段階となると、ツイッターが1対1の感覚が強い。

Facebookはお客様がコミュニケーションをとれるような素材を投げて、お客様同士でコミュニケーションをとってもらう、必要であればわれわれがそこに入っていくような使い方。

徳力:ツイッターはリプライがマンツーマンなので親密度も増す気がする。

佐藤:マーケティング的な革命が起きているのを感じていた。レディガガやコカコーラのようにファンを持っていた訳ではなかった。ブランドを持っていてプラットフォームがFacebookに変わった、という訳ではなかった。

ファンが多いということ以上に価値があるのは、ブランドをみんなで作ったということ。これからソーシャルブランディングのように、いろんな人がブランドを作ってくれるということを肌で感じた。

徳力:普通はツイッターだと無名のブランドのフォロワー数が大企業を超えるのは珍しい。Facebookは何が違ったのか?

佐藤:広告サービスも非常によく出来ている。全世界を対象にできるので、可能性が未知数のところもある。うまく穴を掘ることができた。eCPMがつり上がっていくサービスなので、参入者が増えると同じようなことができなくなる。

とはいえ苦労したことも多かった。海外のサービスに対して、別の海外の人がコメントすることはハードルが高い。スターバックスやコカコーラのファンページにあまりコメントしていないはず。

ぼくらのファンページにもあって、1万人くらいだと誰もコメントしてくれない。どんどんアクティブになっていた。ウォールの動きが変わってきている。

例えば、コカコーラやスターバックスのファンページはユーザの書き込み。ファンの交流がなされていく。最初はぼくたちしか書いてなかったが、いろんなことを書き込んでくれる人が増えた。20万人を超えたら増えた。

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徳力:日本人はそもそも人のところに書くのはハードルが高くないか?

佐藤:その辺をやり始めると、Facebookの国内での将来性も変わってくると思う。世界の人たちは崩している。日本はまだできていない。

高柳:北米では9,000人くらいだが、コメントはたくさんもらっている。日本では企業の発信に対してコメントがつくような形になっている。

風間:台湾は15万人。店舗数も20店舗強。世界の中でも中国に次いで出店している。背景には日本企業を受け入れてくれる風土がある。

こちらから発信せずにコメントをもらうのは、グローバルが多い。15,000人を超えたあたりから、日本でもウォールへの直接投稿が増えた印象はある。

徳力:ここは意外に困ったという話は?

佐藤:ファンがかなり増えた時にECをやろうと思った時に爆発的に売れると思ったが、あれっというくらい動かない。それを知って「みんなオンラインで買わないの?」と書き込んだ。それは「怠け者だ」と言われた。そもそもオンラインで買わない。

全世界の環境、インフラに合わせたものを提供しないといけないと分かった。国によってはクレジットカードが普及していない国もある。日本のようなコンバージョンにはならない。

そのため、海外に出店を計画した。そうしたものもセットで考えないといけない。Facebookがあったから、海外出店に至った。今までだったにマーケティング調査をする必要があっただろう。ぼくたちの服に興味がある人たちが集まっているので出店がしやすい。

風間:悪かったという程ではないが、ソーシャルメディアの一担当者ということでいうと、ツイッターもそうだったが、楽しくて、業務時間をこれにとられてしまうというのが。

高柳:始めて1カ月だがFacebookが進化している。追いつくのが大変。Facebook担当ではなく、メールなどのコミュニケーション担当のチームで運営している。

社内での関わり方は大きく変わっている。広報、カスタマー、総務、CSRなど様々な部署とコミュニケーションを取るようになった。社内の取り組みもどんどん発信できるようになった(受験シーズンにネジが滑らない砂を配ったりするなど)。

徳力:そうしたコミュニケーションを設定する時に社内から反対は?

高柳:もともと若手を中心に進んでいった。それぞれの部署に対しては、やっていこうということで、みんなまとまった。

風間:ツイッターをスタートしたのが1年半前。商品の紹介を、今までと違うメディアで行いたいとスタートした。お客様室など他部署との連携は、運用しながら必要性を感じた。私自身で返答できるものもあるが、社内で確認が必要なものもある。

100%ソーシャルメディアで答えを提示するのを目指すのではなく、分からないものは問い合わせ窓口、解決の近道を提示することをしている。

佐藤:Facebook担当は主にぼくが(笑)ファンが増えると業務量は増えるが、全てにコメントを返す必要はない。そこは自由にやりあってもらった方が良い。そういうプラットフォームを提供する、ということ。

徳力:利用者のコメントが他の人に見えるが、ネガティブなものは問題にならないか?

佐藤:Facebookでの炎上は企業側に問題があると思う。真摯に受け止める必要がある。火は企業にあるケースが多い。

風間:ツイッターで配送のトラブルを投げ掛けられる場合があるが、緊急度の高いものはお客様室と連携することもある。オープンなところでやり取り機能も、クローズドなところでやり取りする機能もある。通常のカスタマーサポートで対応できると思っている。

特定商品にネガティブなコメントが集まるようであれば、それは商品に問題があるとして真摯に受け止める必要があると思う。

高柳:お客様の声に対する対応する窓口と連携しながら対応している。

徳力:Facebookの活動を認めてもらうための効果測定のようなものは?

佐藤:KPIで見ると非常に難しい。一番難しいのは費用対効果。そこが見えにくい。ただ、ファンという今までなかった指標を可視化してくれた。ただし、目に見えないので落とし所は難しい。ソーシャルメディアに対するコストのかけ方が問題になるかな、と。

風間:より多くのお客様に伝えるという意味では、もっとファンを増やしたい。実際、無印良品の場合は全国に300店舗あるので、オンラインで完結するのではなく、オンラインからオフラインにどう動いてもらうのかを重要視している。

有楽町の期間店が10周年で、ツイッターとFacebookを使ってメッセージを投稿すると10%オフクーポンを提供。3週間弱で2,000強のメッセージが集まった。実際にクーポンが使われた数は900件。

今までのメールマガジンやテレビCM、ウェブサイトだけでは計れなかった指標で、ソーシャルメディアを通じて接したお客様がアクションを起こしてくれた、こうしたことを広げていきたい。

高柳:ファン数、いいね数に加えて、Facebook上でキャンペーンもやっているので、サイトからの誘導などを計測している。まだ傾向は分からない。

徳力:ツイッターやFacebookはオンラインショップの購入に繋がるか?

風間:当初はそれを目的としていた訳ではないが、お客さんのつぶやきから、お店に行った、これを買ったというのが増えてきた。反応が良いのは1.5〜3倍に増えているものがあった。

徳力:最後に一言、アドバイスがあれば。

高柳:試行錯誤して進めていきたい。

佐藤:ファンページを連携して盛り上げていきたい。

風間:いろいろな企業が盛り上がっていくことが、ファンページが盛り上がるのに重要。

追記:ソーシャルメディアサミット2011では以下の記事を書きました。

日本のソーシャルメディアの未来はどうなるのか
Facebookは今後日本でどうなるのか?
企業のソーシャルメディア活用の可能性について
ソーシャルメディアはウェブの何を変えるのか