2013 04 05 1541
末廣亭は飲酒禁止です。でも鈴本や浅草は売店でビール売ってます。

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四家正紀と申します。ごく平凡な落語好きのブロガーです。落語を聴きに行っては、ブログを書いています。

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いつもやってる「定席」の寄席は、フラリと行けば落語が楽しめる素敵な場所です。でも本当に「フラリ」と行くと、やっぱり当たり外れがあります。

自分と合わない(ひらたくいうと、おもしろくない)出し物を「楽しむ」のも、実はこれ寄席の楽しみのひとつ、なのでありますが、ちょっと上級者向けでしょうね。

ということで、我々にはネットがあるのですから、最初のうちはちゃんと調べてから行きましょう。

■あえて「寄席の特徴」から選ぶ

落語を聴く場合、もっとも重要なのは演者すなわち落語家を選ぶことです。

前回書いた通り寄席はトリを主役にした連係プレーの場ですから「好きな落語家がトリで出演するとき」に行くのが一番です。

といって、最初のうちは落語家についてもあまり知らないでしょうから、ここはひとつ「寄席ごとの特徴」をもとに「初めての寄席の選び方」を考えてみます。

東京都内4軒の定席寄席には、それぞれ特徴があり個性的です。これをいろんな角度から比較してみます。

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※寄席の名称は以下の通り略します

鈴本演芸場‥‥鈴本(上野)
末廣亭‥‥末広(新宿)
池袋演芸場‥‥池袋
浅草演芸ホール‥‥浅草

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●客席の形状

まずは客席、こんな感じに分類できます。

・広い‥‥鈴本(上野)、末広(新宿)、浅草
  ・二階席がある‥‥末広(新宿)、浅草
  ・一階席に桟敷がある‥‥末広(新宿)
  ・一階椅子席のみ...鈴本(上野)

・狭い‥‥池袋(マイクなし)

広いといっても鈴本で席数が300弱なので、落語を聴くには手ごろな大きさです。

広い方が席を選択する幅が広く、狭い方がどの席も高座に近くて臨場感があると思われます。

「狭い」池袋は、マイクを通さない演者の生の声を聴ける良さがあります。その一方で、人気がある演者が出演するときにはすぐに満席、その反対の時はガラガラと混み具合が極端なのがちょっと面倒。

二階席は高座から遠いですが、上から見る落語もなかなか面白いものです。末広の二階席は混雑時のみ入れます。浅草の二階席は角度的にかなり上から観ることになり、これまたちょっと面白い。

●建物の風情

・近代的‥‥鈴本(上野)、池袋

・風情‥‥末広(新宿)、浅草

鈴本と池袋はビルです。末広亭の建物には見事に寄席の風情が残っています。浅草もいい感じなのですが、なんとなく「寄席の風情」というよりは「浅草」というレトロな街の風情を感じます。ウェブサイトにも「浅草観光なら寄席に」と書いてあります。

●出演者の持ち時間「じっくり少数・いろいろ多数」

芸人一人当たりの持ち時間は寄席によって違いますので、これを選択のポイントにすることも可能です。

・じっくり(出演者が比較的少)‥‥鈴本(上野)、池袋

・いろいろ(出演者が比較的多)‥‥末広(新宿)、浅草

「いろいろ出てきた方が飽きない」か「比較的長い噺を掛けてくれる方が面白い」の選択です。

●飲酒

お酒を飲みながらの寄席を楽しむ、というのも高揚感があって、なかなかいいものです。とくに昼間っから飲むのは非日常感覚があっていいですね。

ただ、飲みすぎると眠くなってきますから注意です。ま、他人に迷惑にならなければ寝ちゃってもいいんですが。あんまり前の方で寝られると演者は辛いですね。

・飲酒OK‥‥鈴本(上野)、浅草

・飲酒NG‥‥末広(新宿)、池袋

この件については、どういうわけか東京の東と西で分かれてますね。鈴本と浅草ではビールを販売しています。

●出演団体と番組

東京で定席寄席に出演する落語家は「落語協会(略称は「落協」「協会」)」か「落語芸術協会(同じく「芸協」)」のどちらかに属しています。

「なんで二つあるのか」「どう違うのか」と聞かれると、答えに困ります。プロ野球の「セ・リーグとパ・リーグの違いについて、ひとことで説明しろ」と言われた時の気持ちと似てますね。

はっきりしていることは以下の通りです。

・あくまで団体であり、吉本興業のような芸能事務所ではない。

・両方の団体に所属する落語家はいない。師匠と弟子は同じ協会。

・寄席興行は団体ごとに行う。ごくまれな例外を除き、落協の寄席興
行に芸協所属の芸人は出演しない。

・落協の方が人数が多い

・芸協の方が色物(漫才や奇術など落語・講談以外の芸)の比率が高い。

さらに寄席の興行(「番組」「芝居」などといいます)については、以下のルールがあります。

・番組は上席(1~10日)・中席(11~20日)・下席(21~30日)と、10日単位で組まれている。

 ・各日、昼夜の二回興行で、出演者はそれぞれ異なる。

 ・前回説明したように、寄席はトリ(主任)につなぐ連係プレーの場なので「昼夜別のトリが基本10日間続けて出る」と考えるとよい。ただし10日間の間に何日間か休むトリもいる。

・この10日間単位で、落語協会と落語芸術協会の興行が行われる。

・池袋の下席は落語協会の興行

・鈴本(上野)は全て落語協会の興行

割とややこしい話なので、最初のうちは「こんな感じなんだあ」くらいに思っておいてください。

簡単に言うと「芸協の桂歌丸と落協の林家木久扇は、一緒に寄席には出ない」ということです。

今回はなんか回りくどい説明になりました。次回はもっと具体的に、ズバリお勧めの寄席をご紹介させていただきます。ご期待ください。


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ブロガー的・生落語のススメ(1)「落語は気楽なライブ・エンターテイメントです」

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プロフィール
四家正紀(しけ まさのり)1967年生まれ 都内IT企業勤務
ブログ「裏[4k]」にて落語に関するエントリーを200本以上執筆し、現在も継続中。先日スタートさせた限定20名の小さな落語会「シェアする落語」第1回(出演:立川談吉)は3日で完売。第2回も開催予定。
落語家と落語会主催者をブロガーの立場で応援するために、日々模索してます。

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