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PFUが写真スキャナーの新製品「Omoidori(おもいどり)」を「写真の日」である2016年6月1日に発表しました。「思いを撮る=Omoidori」と命名された製品は、アルバムに貼られたアナログな写真をデジタル化するために生み出されました。

構想自体は古くからあったそうですが、簡単そうに見えて技術的には困難を極めたそうです。しかし、東日本大震災で瓦礫の中で泥だらけのアルバムを大切に抱える人たちを見て、写真を簡単にデジタル化することをやりたいと強い思いに変わったそうです。そんな「思い」も込められた「Omoidori」の製品発表会に参加しました。

「Omoidori」肝となる技術は「Wスキャン」

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「Omoidori」で肝となるのは、特許申請中の「Wスキャン」と呼ばれる技術です。「Omoidori」はカメラ部分をiPhoneが担いますが、どうしても写真をスキャンしようとする際に、テカリが出てしまったのだとか。

これを解消したのが暗室のようになる本体と、2方向からLEDを照射し写真撮影し、キレイなところを合成する技術の「Wスキャン」です。写真を2回撮影し、いいとこ取りをするというのは、スキャナーの会社であるPFUらしい発想だと感じました。

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裏側を見るとLEDが4箇所で光っているのが分かります。仕組みが分かってしまうと普通のことのように思えますが、ここに辿り着くまでが大変だったと技術者の方が振り返っていました。

「最初はいろいろ試した。光を遮るとテカらないが写真は暗くなる。写真は光を写し込むもの、光をアナログ的にコントロールしたかった。しかしそれは難しかったので、デジタル的にいいとこ取りする方法にした。アナログを捨てるのが発想の転換だった」

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「Omoidori」ではデザイン監修にエイトブランディングデザインの西澤氏が加わっているのですが、最初に製品を見た時に「こんな便利なものはない。ガジェットツールではなく、広く伝えたいと思った」というコメントが印象的でした。

「Omoidori」の主な機能

「Omoidori」の主な機能は次の通りです。

・日付認識

写真に記載された日付を認識し、EXIF情報をそれに書き換えることができます。

・2L判合成

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左右を2回撮影することで、2L判サイズの写真を取り込むことができます。これもScanSnapを開発する会社ならではの技術です。

・自動トリミング

顔認識をし縦横を自動で判別し、写真を回転します(風景写真ではできない)。

・赤目補正

赤目になっている写真を自動で補正することができる(機能はオンオフが可能)。

・アプリからプリントサービスを利用可能

アプリからFUJIFILMの写真プリントサービスを利用することができます。

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価格はコチラにありますが、既にネガがなくなってしまった写真でも1枚単位で焼き増しプリントができます。ソフトカバー16pが540円、ハードカバー16pが2,860円など、アルバムを作成することも可能です。

「Omoidori」で思い出に新しい未来が開ける

アナログの写真をデジタル化することにどういうメリットがあるのでしょうか? ScanSnapのようなドキュメントスキャナーを使って一気にスキャンするのと何が違うのでしょうか?

一つに、アルバムの思い出は動かしにくいということがあります。時が経過すると、アルバムから写真を剥がすのも一苦労です。場合によっては破れてしまうこともあるかもしれません‥‥そんな時も「Omoidori」なら写真を傷つけることなくスキャンすることができるのです。

特に冠婚葬祭は昔の写真を引っ張り出す機会ですが、大事な写真を傷つけることなく写真をiPhoneに取り込み、焼き増しをしたり、新たなアルバムを作ったり、スライドショーを作ることが可能になります。動かし難かった思い出に、未来が開かれるのですね。

個人的には震災の時のアルバムの話が非常に印象に残ったのですが、アルバムの写真を撮影しクラウドに置いておけばバックアップとしても完璧です。

試したところiPhoneアプリの操作も簡単でした。スキャナーだとハードルが高いと思われるようなユーザー層でも、これなら使いこなすことができると思います。

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2016年6月下旬より発売開始。販売価格はオープンですが、PFUダイレクトでは12,800円です。

唯一、ぼくの「iPhone 6 Plus」では使えないのだけが残念だったのです!(妻のiPhone 6で試してみます)

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iPhone 5/5sでは、このようにアダプターを使用することで「Omoidori」の使用が可能になります。

「Omoidori」はAmazonで予約受付がスタートしています。カールしている写真をスキャンするには、フォトプレッサーがあると便利です。

「Omoidori」質疑応答

最後に質疑応答で出たいくつかのポイントを。

Q. プリクラサイズは?

A. 検出して切り抜くので小さくても大丈夫。

Q. スキャニングサービスするのにライセンスはいるのか?

A. 買った人が使うのは当然制限はない。それを使ってデジタル化サービスすることにも制限はつけていない。著作権の問題がクリアになっていれば。ライセンスフィーも現状では考えていない。

Q. 写真にフィルターは?

A. 最初検討したが、忠実にデジタル化することに注力した。

Q. 撮った写真はアプリに保存される?カメラロール?

A. カメラロールに保存される。OMIDORIというフォルダができる。

Q. 日付を変更するとイグジフも変更される?

A. その通り。

Q. デバイスへの対応は?

A. 7が出てくると思うがイケるんじゃないかと思っている。Androidは検討してきたがカメラの位置がいろいろある。カメラモジュールのばらつきも激しい。現時点ではAndroid対応は考えていない。今後は機種を限定してやる可能性はある。おもいどり自体にカメラモジュールを搭載などの検討の余地はあると思っている。

Q. 退色、傷への対応は?

A. 現状はそうした要素は入れていない。ソフトウェアはアップデートできるので、検討していきたい。

Q. 画像の取り込みサイズ、2L以上は取り込めるようになる?

A. 技術的には可能。ただ、メモリのリソースなどこ問題もある。今はこれでいけるだろうという判断。

Q. LEDの交換は可能?

A. できないが寿命は4万時間。