大企業には就職したくなかった〜ソフトブレーン会長 宋 文洲 氏というインタビュー記事より。

国費留学生として中国から日本にやってきた宋氏にとって、日本は、勉学を修め、いずれ後にする場所のはずだった。しかし、実際はそうならなかった。中国で天安門事件が起こり、帰れなくなってしまったからだ。日本で働くことになった宋氏は、「大企業には就職したくない」と考えた。なぜ、宋氏は大企業に就職したくなかったのだろうか。

最初から違和感があり「なんでこんなに平和なんだろう?」と思っていたそうです。同級生と話した逸話が紹介されています。

例えば、同級生と話すと、「自分は大企業にしか就職したくない」と言うんです。「小さい会社に就職して、倒産したらどうするんだ」と。「一生会社に使われて、サラリーマンとして生きていくので満足なのか?」と尋ねても、それでいいと答える。「危ないことなんかしたくない。一生安定しているところがいい」って言うんですから。30代、40代の人ならともかく、20代前半の若者がですよ!

天安門事件、文化大革命などの“大きな変化”を経験した宋文洲会長にとっては、こうした状況は異様に写ったようですね。

大きな変化を体験した人間は、「どんな状況でも変化は起こり得る」と嫌でも認識せざるを得ない。どれだけリスクヘッジを考えていたとしても、自分では防ぎようのない事態が起こり得るんです。

これは確かに同感です。大きな会社だから、という規模だけでは安心できないのが現実でしょう。であればこそ、できるだけコントロールできる状態を構築しておき、万が一の事態に備えるということが大切なのではないかと思います。「だれかに頼って安心するのではなく、自分で生きていく力を身につけること、自立することがいちばん大切なんですよ」と宋文洲会長。

自動車会社のリコール問題に関しても、次のようにコメントしています。

ただ、会社がすべて悪いわけではないんです。何も知らないという社員にも問題がある。「自分は会社のすべてを知らなくとも、だれかがどうにかしてくれる」と思っているのは、あまりに人任せな言い訳です。会社の実態が分からない状況に満足して働くのは、その人の怠慢だと思います。

だからこそ、宋文洲会長は大きな会社では働きたくなかったそうです。「大きな会社に入ると、会社の実態が分かりませんから。実態を自分で把握できない会社で働くのは、怠慢じゃないですか」

何かに庇護されていく、というのは難しくなりつつあるのでしょうね。可能な限り自分で現状を把握した上で、状況をコントロールしていく力がより重要になっているのかもしれません。