時間と空間をゆがめるのが特徴――ジブリ・鈴木敏夫氏が見る日本アニメの現在と未来(後編)という記事より。

贈賞式の後に行われたシンポジウム(聞き手:西村知江子氏)の前半「鈴木敏夫プロデューサーが語る、スタジオジブリ作品の創り方(前編)」では『借りぐらしのアリエッティ』を例に、プロデューサーの仕事について解説した鈴木氏。後半では、スタジオジブリが声の出演に俳優を起用する理由や日本アニメの特徴、そしてその未来について語った。

「ASIAGRAPH2010」で創(つむぎ)賞を受賞した鈴木敏夫氏が、スタジオジブリが俳優を声優として起用する理由などを語ったそうです。これがなかなか、興味深いです。

ジブリ作品では日常の芝居が多いので、芝居が大げさだと困るとし、声優の芝居はハレ(非日常)とケ(日常)で言うとハレで、ジブリが欲しいのはケなのだそうです。

まずは「となりのトトロ」の糸井重里氏について。

例えば、『となりのトトロ』のお父さんはなぜ糸井重里さんなのか。僕は『となりのトトロ』のお父さんは、ちゃんとしたお父さんではないと思った。自分の研究に没頭して、家のことはあまりやっていませんから。

昔のちゃんとしたお父さんかなら威厳がある重厚な役者がいいけれど、ちゃんとしたお父さんではない人が良かった、ということで糸井重里氏の起用になりました。

「耳をすませば」の立花隆氏も「何とかお父さんをやっているけど、ちょっとくたびれているかな、ということで方言が欲しくなった」という理由だそうです。むしろ「もう1回、糸井重里さんでもいいんじゃないかな」とも思っていたのだとか。

そして「ハウルの動く城」のキムタク、木村拓哉の起用に話が及ぶのですが宮崎駿監督との間では「男のいい加減さを持ったやつ」と決めていたのだとか。

『ハウルの動く城』でハウルの声にキムタク(木村拓哉氏)を起用したのですが、みんなにいろいろ言われましたよね。「これでお客さんを呼ぼうとするのか」とか。

当然、キムタク起用は日本のアニメ映画にありがちな、いわゆる客寄せの手段の一つと思われそうですが、しかし、鈴木敏夫氏も宮崎駿監督も、実はキムタクのことはほとんど知らなかったそうです。

誰が良いのか悩んでいた時に、木村拓哉から出演の希望が来て「確かに人気がある人だよなあ」と思い、娘に聞いたのだそうです。「キムタクってどういう人なの?」

そうしたら「いい男だよ」と言って、その次に「いろんなこと言うんだけど、真実味がないんだよね」と(笑)。「これはいける!」と思ったんです。

えっっっっ!

「いろんなこと言うんだけど、真実味がない」という理由で「ハウルの動く城」で木村拓哉が起用されていたとは!!

「とにかく声を出してもらうと、もう宮さん大喜び」だったそうです。しかも「宮さんの直しはほとんどなし」だったそうです。

キムタク起用に、こんな裏話があったなんて。

最近では、いろんなこと言うんだけど真実味がないキムタクが、宇宙戦艦ヤマトを操っている訳ですね。

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