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これはMovable Typeユーザーとしては見逃せないニュースです。Movable Typeを開発しているシックス・アパートが経営陣と社員によるた「シックス・アパート・ホールディングス株式会社」を設立し、親会社であるインフォコムからシックス・アパートの全株式を取得したことを発表しています。

今回、インフォコム株式会社の支援の下、EBOの実施により、経営、組織をスリム化し、より迅速な意思決定と製品開発を実現することで、Movable Type 6 の発表以降、売上の伸びが続いているソフトウェア版、セキュリティ対策やメンテナンス性の良さで急速に伸びているクラウド版の成長をより促進するほか、サービス型CMSである MovableType.net の機能強化や海外展開を進めます。

MBO(Management Buy Out)というのは聞いたことがありますが、EBO(Employee Buy Out)は初めて聞きました。MBOでは経営陣が株式を取得しますが、EBOではここに従業員が加わります。会社のみんなで親会社から株式を取得し独立した、と考えて良いでしょう。

ネタフルと同じくMovable Typeを使用している「Publickey」が、ここまでの経緯をまとめてくれています。Movable Typeを開発するシックス・アパート、経営陣と従業員の持ち株会社が全株式を取得。独立した企業として再出発という記事です。

シックス・アパートはもともと、Movable Typeを開発したベン・トロット、ミナ・トロット夫妻によって2001年に米国で創業された企業です。2002年にブログメディアとして登場したGizmodoや、2003年に登場したブログ検索エンジンのTechnoratiなどとともに、初期のブログブームを牽引する企業の1つでした。

ブログといえばWordPress全盛の今では「Movable Typeってなに?」という人も少なくないかと思いますが、ブログ黎明期に一時代を築き、現在はBtoBで存在感を発揮しているCMSです。

紆余曲折がありアメリカのSix Apartはなくなり、日本のシックス・アパートがMovable Typeを開発しています。

ネタフルが13周年を迎えました!という記事で書いた通り、ぼくがブログを始めたのは2003年7月です。ぼくがMovable Typeと出会ったのは、前年の2002年夏のことでした。

その頃はサラリーマンをしながらメールマガジン版ネタフルを執筆しており、自宅でも会社でも参照できるように、今で言うクラウドのようにネット上にネタをストックしておく場所が欲しかったのです。そこでCMSの存在に気づきました。国産だと現在は「a-blog cms」という名前になっていますが、前身となる「a-News」なども試しました。ちなみに「a-News」は国産の最も古い部類に属するブログCMSといって良いのではないでしょうか。

海外に目を向けた時に、いくつかのCMSが目に止まりました。その中の一つがMovable Typeでした。しかし、Perlのモジュールの追加などが必要で、当時のレンタルサーバーには簡単にインストールすることができなかったのです。

明けて2003年。SEOがブームになり、ウェブ制作会社に勤務していたぼくも研究をしていました。そんな中、お客さん自身が更新してもキレイなHTMLが書けるシステムとしてCMSに注目しました。会社には技術者がいましたから、社内に置いてあったiMacにMovable Typeをインストールし、動かしてみたのが2003年3月頃だったと記憶しています。整然としたHTMLとCSSで書き出されるウェブページに感動しました。

この頃、日本人がMovable Typeをインストールしやすいように、日本語化パッチの作成に尽力したのが、みらのさんと、今回、シックス・アパートの取締役に就任したひらたさんです。特にひらたさんは"ブログ神"と呼ばれるほどの存在でしたし、この2人がいなければ、今日の日本のブログ文化がどうなっていたかは分かりません。

その後、テストを繰り返し、ぼくはCMSとしてのMovable Typeを理解し、2003年7月1日にiMacの中で産声をあげたのが、ブログ版ネタフルでした。

あれから13年間、Movable Typeと共に歩んできました。2008年から2009年くらいまでは、日本でインストール型のブログといえばMovable Typeでしたが、その頃に田口さんがWordPressへ移行します。これに追随するブログが増え、一方でMovable Typeもビジネス寄りにシフトしていったため、今日のインストール型のブログといえばWordPressという流れになっていったと考えています。

ネタフルもWordPressへの移行は検討しました。WordPressへの道という記事を2009年に書いているように、実験はしたのです。結果的に、当時のアクセス数だと負荷分散が難しそうということで、Movable Typeに留まることにしました。

「Publickey」でも「静的生成による負荷への体制やメンテナンス性の高さからMovable Typeを利用しています」と書かれていますが、記事の再構築には時間がかかるのですが、普段の運用においては本当に静的HTMLというのは楽なのです。ヤフー砲で10万PVクラスのアクセスが短時間にきても、サーバーが落ちることはありませんでした。

ただ、WordPressがうらやましくないこともありません。例えば豊富なテンプレートやプラグインですね。個人がブログをカスタマイズするには重要な要素です。

Movable TypeはCMSとしては法人向けの用途が多いので、このあたりのユーザーコミュニティとのコミュニケーションは難しいと思っていたところもあったのですが、EBOで自主独立を獲得したことで、もしかするとそのコミュニケーションも再び復活するのでは‥‥なんていうことを密かに期待したりしています。

いずれにせよ、写真に写っているみなさんがハッピーな顔をしているので、きっとこれは良いEBOだったのだと思いますし、ある意味ではリスタートをするシックス・アパートに幸多かれと思うわけです。今後の展開に期待してます!

Six Apartを6Aなんて略してた時代が懐かしいですね〜。

追記:ひらたさんから「実は個人向け無償版の提供も続けているんですよ」と、ご連絡頂きました。Movable Type 個人無償版ダウンロードにあります! 興味のある方はぜひインストールしてみてください。ここから全てが始まった気がしますね。

シックス・アパートとネタフルの関係について

ネタフルはシックス・アパートのMovable Typeクラウド版にて保守・運用の無償サポートを受けています。