インターネットはマスメディアになるのか?という記事。

2004年のインターネット広告費がラジオ広告費を上回るなど広告主にとってインターネットがマスと同列の存在となりつつあるという印象を受ける。インターネットはマスメディアになれるのか?

筑波大学の方が書いた、興味深い記事です。

「インターネットはマスメディアになれるのか?」という問いに対し、ゲーム理論の「共通知識」(common knowledge)という概念を紹介しています。「お互いにあることを知っていることをお互いに知っており、そのことをさらにお互いに知っている(無限の繰り返し)」ということで、

マスメディアの場合、あるメッセージを同時に多くの人々が得ていることを個々が了解し、さらにそうした了解をお互い共有していることを個々が了解している

という共通認識が成り立っているけれど、インターネットでは現実的には難しい側面もある、と。テレビは「今同時に何十万、何百万という人々が同じイベントを見ているという実感」を与えてくれます。「インターネットがマスメディアになり得るのは、サイトへの来訪者が何百万人もいるということだけでなく、その何百万かが今この瞬間、同じ情報を共有したと実感させることができたとき」としています。

さらに「インターネットがマスメディアになるかどうかを広告という側面」からも検討しているのですが、バナー広告の関する調査が紹介されています。

「ネット広告の効果は、TVスポットや駅貼広告と同様、露出であり、それを通じたブランド知名の形成であることを実証した研究」があるそうで、アイカメラを用いて消費者の視線を追跡したそうです。その結果、

・インターネットになれた人ほど、バナー広告を避けて閲覧する傾向がある
・しかし、視聴者によってバナー広告のブランドを変えてみると、その効果はちゃんと、サイト訪問後のブランド想起率の変化に現れた

ということで、

つまり、消費者はバナー広告をしっかり注視しているわけではないが、周辺知覚なども含め、何らかの形でバナーに接触し、知らず知らずのうちにブランド名を記憶している

と結論づけられています。「バナー広告は多くのマス広告と同じように、露出の繰り返しによって認知を形成する役割を果たすもの」であると。インターネット広告の場合、効果検証がしやすいため、クリックされない=効果がない、と見なされることも多いと思いますが、ブランド認知に関しては、バナー広告も効果を発揮する、ということですね。

ネタフルでもヘッダー部分に大きなバナー広告を掲載していますが、広告の内容(クリエイティブ、ターゲット)によって、クリック数は全く違います。同じ場所なのに広告効果は段違いです。要はそういうことなんだと思います。

最後に「広告という観点からは、インターネットはある部分、マスメディアとしての条件を満たしつつあるのではないでしょうか」と結ばれています。