2泊3日の京都旅行に行ったならば、1泊は比叡山にあててもいいんじゃないかな、自分で宿泊体験してそう思いました。夜間になると比叡山への交通手段は絶たれます(ドライブウェイも閉鎖される)。下界との交流を一時忘れ、静謐な場所で過ごすのも良いものです。宿泊しないと体験できないお朝事、座禅、写経があり、早起きして体験するとより一層、心が洗われる気分です。宿泊するのは「宿坊 延暦寺会館」です。
「宿坊 延暦寺会館」に宿泊し精進料理をいただく
「延暦寺会館」は、延暦寺の中心に位置する東塔にあります。近くには総本堂の根本中堂があります。比叡山へのアクセスはコチラを参考にして頂くとして、京都市内からのアクセスも良いので、昼間は市内を観光し夜は比叡山で過ごすというのも可能です。
「延暦寺会館」の部屋です。すっきりと清潔。
いわゆる延暦寺の中にある宿泊施設ですので、ここにいるだけでなんとなく荘厳な心持ちになってきます。
洗面台。部屋はトイレのみ、風呂は大浴場を利用しますが、これが広くて気持ち良い風呂でした。琵琶湖の夜景がキレイな展望風呂でした。
ちなみに、これが部屋から見えた滋賀県側の夜景です。真ん中が琵琶湖です。
事情により到着が夜遅くなったので、夕食はなし。朝食から精進料理を頂きました。
「宿坊 延暦寺会館」の朝食
食事処で朝食を頂きます。
窓からの景色が、また絶景でした。けっこう標高の高いところにいるので、開けた場所に出ればキレイな景色がどこからでも見られるのですね。清々しい気持ちで朝ごはんを食べることができました。
部屋ごとにテーブルが分かれています。
こちらが精進料理の朝食。旅館やホテルだとハムや焼き魚が出てくるところですが、でもそういうのがなくても全く違和感なく美味しく頂きました。ご飯は比叡山の天然水で炊かれているそうです。味噌汁も比叡山の天然水。こればっかりは、やはり宿泊しないと体験できませんね。
ロビーでは比叡山の天然水を飲めます。
宿泊すると見学できる延暦寺根本中堂のお朝事
宿泊したら、朝ごはんの前に体験したいこと。それがお朝事です。朝のお勤めといえば良いでしょうか。「延暦寺会館」から徒歩5分ほどのところにある根本中堂にて見学が可能です。
6時半より始まります。宿泊者の多くが、この場所に集合します。残念ながら中の写真は撮影することができませんが、朝のお勤めに参加すると1200年間護り続けられる「不滅の法灯」も見ることができます。
この「不滅の法灯」は織田信長の焼き討ちの時に一時途絶えたものの、中尊寺に分灯してあったものを火種として持ってきたそうです。真偽の程は定かではないそうですが「火を絶やすな」という意味から「油断」は延暦寺んら生まれた言葉と言われているそうです。
人の少ない延暦寺は静かです。山の上なので、10月初旬ですが朝晩は冷えました。その分、キリリとした空気が気持ち良かったです。
まだ人の少ない延暦寺を散歩できるのも、宿泊者の特権です。
延暦寺の入口、文殊楼。
根本中堂から文殊楼を望む。つまり、延暦寺根本中堂は谷にあるのです。
ちなみに、根本中堂に菊の御紋があるのですが、皇室で使われるよりも元々はこちらが先で、桓武天皇が気に入って使うようになったのだと教えて頂きました。延暦寺が、恐れ多いということで後から芯のデザインを変えたのだとか。
「延暦寺会館」で座禅体験
「延暦寺会館」に宿泊すること体験できるプログラムの一つが「座禅体験」です。所要時間は約1時間、2名から受付で1人1,000円です。事前予約が必要ですので、興味のある方はぜひ問い合わせみてください。
最初に「座禅とはなんぞや」という話を伺います。ただ座るだけならば「坐禅」となるそうです。人と人が向き合う、つまりもう1人の自分と向き合うのが「坐禅」ということです。
「坐禅」の必要なのは身、息、心を整えることで、大きくて深いゆっくりとした腹式呼吸で気持ちを整えていきます。
座禅を助ける杖「禅杖(ぜんじょう)」で背中をバチンとやって頂くのも初体験しました。「1日の中で自分を振り返る時間を作っているか? 心を落ち着ける時間が心の余裕」というお話が印象的でした。
「延暦寺会館」で写経体験
「延暦寺会館」に宿泊すると、般若心経を書写する写経体験に参加することもできます。こちらも1人1,000円です。
道具は用意されていますので、あとは心を落ち着けて書くだけです。ぼくは座禅よりもこちらの方が集中力が高まったのを感じました。
「宿坊 延暦寺会館」に宿泊して非日常体験を
比叡山から見える日の出です。下は琵琶湖。
「宿坊 延暦寺会館」に宿泊しないと体験できないことがあります。山の上にポツンと存在する感覚、見下ろす街の明かり、いずれも日常とプツリと切り離された非日常の体験だと思いました。しかし、そんなに遠くに行く必要はないんです。京都市内からすぐですから。興味のある方は「延暦寺会館」からチェックしてください。

写真は「FUJIFILM X-T10」で撮影しています。
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