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がんに対する治療は日夜、進化し続けていると思いますが、極小カプセル「高分子ミセル」で、がん細胞に直接、抗がん剤を送り込むという治療方法があるのだそうです。しかも副作用がない治療法と。

副作用なし!がんを直撃する"トロイの木馬"という記事になっていました。

現代のオデュッセウス、東京大学大学院工学系研究科・医学系研究科の片岡一則教授は、難敵のがんに立ち向かう「ナノスケールのトロイの木馬」を開発した。それが抗がん剤を入れて使う、粒径10万分の3ミリメートルというウイルスサイズの極小カプセル。その名も「高分子ミセル」だ。難治性のがんに効果があり、抗がん剤の欠点も克服できる治療法として、世界的な注目を集めている。

発見した時には転移してえり、手術ができなくなった、がんというのもありますが、そういったものにも効果を発揮するそうです。

膵臓がんでは「繊維組織が多いため、頼みの綱の薬が届きにくいのが現状」ということですが「高分子ミセル」で抗がん剤を静脈注射すると、効き目があり、通常の抗がん剤治療だと3ヶ月程度だった生存期間が1年以上に延びる例が出ているそうです。

しかも「高分子ミセル」の良いところは、副作用がないところだそうです。抗がん剤は健康な細胞にもダメージがありますから、がんにだけ効く、というのは夢のような話です。

「抗がん剤をがん組織にのみ高濃度で届け、正常細胞にはまったく影響を与えない」というのが「高分子ミセル」の素晴らしいところです。

臨床試験にはいくつかの段階があるそうですが「製薬会社主導で50億~100億円をかけ、500人規模の患者を対象に効果を調べる第Ⅲ相」に着々と近づいているそうで、将来的な実用化が期待されるところです。

片岡一則教授は、臨床試験に積極的なのだそうですが、こんな理由があるそうです。

「(工学博士号を取って助手として就職した)東京女子医科大学の日本心臓血圧研究所で基礎研究をしていた僕は、『10年先にこういうことができればいいでしょう』と無責任に思っていました。すると、隣の心臓外科医に怒られる。『明日患者が死ぬかもしれないのに!』と。

そうなんですよね。治療法を必要としている患者は、切実ですからね。1年でも、10日でも、1日でも早く、と思ってしまいます。

「高分子ミセル」は「フェラーリ」のような最先端医療に対して、治療効果も経済合理性も高い「プリウス」だそうです。実際に使えるようになる日が待たれますね。