浦和Vお預け、ホームで決めるという記事より。

味の素スタジアムは奇妙な静寂につつまれた。ドローでの試合終了時点でG大阪も同点。あと数分で優勝決定の一報が届くはずだった。だが大阪へ派遣した大槻コーチからの電話でG大阪の決勝弾を伝えられた。

勝てば自力優勝、ガンバが引き分けでも優勝という、どう考えても浦和レッズが圧倒的に有利だった昨日の第33節。

結果はFC東京を相手にドロー、そしてガンバ大阪は。

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NHKの試合中継はレッズのロスタイムが終了し、ガンバの試合を映し出していた。レッズと同じ、残り3分のロスタイム。

先制され追いつき、追い越して再び追いつかれたガンバのスコアは2-2。このままいけばレッズの優勝が決まる。

47分台だっただろうか。

ボールがゴール前に出る。ガンバはフリーの選手が何人かいる。左サイドに流れた選手が中を見て、センタリングを上げる。短いセンタリングだ。

カメラがパンする。誰かが、中にいる。

マグノアウベス。

冷静に、ヘディングシュートをゴールマウスに放り込む。

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レッズは出だしから選手が固くなっているのが分かりました。優勝の条件的には有利とはいえ、アウェイ。圧倒するようなサポーターが詰めかけているとはいえ、選手たちの動きはどことなくぎこちないものでした。

いつも通りのパスが出せない。リスクチャレンジすることなく、自陣に戻っていくボール。セカンドボールが取れない。カットされるパス。

一方のFC東京はやはりモチベーション高く、レッズのウィークポイントでもアレックスの裏をこれでもかとついてきます。あわやの得点シーンもありましたが、無失点で切り抜けたのは今シーズンを象徴しているでしょうか。

ガンバは優勝を争うチーム。降格を争う京都のモチベーションが高いとはいえ、やはり力の差があります。先制されたことが中継で伝えられたものの、恐らく逆転してくるだろうという読みがありました。

だから、2-2のロスタイムにも、ここからきっと得点が入るという予感がありました。案の定、でした。そしてそれが、ガンバの強さでもあります。

これまでのレッズは、ここ一番で勝つことができないというイメージがあります。しかし今シーズンは、その“悪癖”もなりを潜めていたと思います。弱い相手にリアクションすることなく、きっちりと自分たちのサッカーをすることができていたはずです。

しかしやはり、目に見えないプレッシャーの存在が大きかったのかもしれません。勝利の女神はやさしくありません。

誰がここまでドラマチックな展開を予想したでしょうか。ついに最終節の直接対決にもつれこむことになってしまったのですから。

場所は、浦和レッズのホームである埼玉スタジアム。ホームでは21試合負けなしのレッズ。勝ち点差は3。得失点差は5です。3点差以上で負けなければ、レッズの優勝が決まります。

首の皮が一枚で繋がったガンバ大阪のモチベーションは恐ろしく高いでしょう。3-0で勝つ力は十分に秘めています。しかしリーグ最少失点を誇るレッズとて、そう簡単に決められる訳にはいきません。

本当の意味で、レッズが生まれ変わったかどうか‥‥真の王者に相応しいかどうかが試される瞬間です。

勝つべき時に勝つ。新たな“レッズらしさ”を手にするために。

2006年12月2日、埼玉スタジアムにて。14時キックオフ。