湯浅健二氏が3万ワードを加筆し、「サッカー監督という仕事」が文庫化されました。

湯浅健二「サッカー監督という仕事」

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湯浅健二氏は、ドイツでサッカーを勉強し、現在は主に評論活動をしている方です。ドイツ留学をしてコーチライセンスを取得しているだけあり、非常に論理的で明快な解説が特徴です。自身のホームページで大量のコラムを執筆しているので、興味のある方は是非ご覧になることをお勧めします。大好きなコラムニスト、評論家の一人です。

その湯浅氏の2000年度ミズノスポーツライター賞を受賞した「サッカー監督という仕事」が文庫化されることになったそうです。3万ワード(約60ページ)を追加し、次のような内容が書き下ろされています。

・徹底比較 トルシエとジーコ ジーコが抱える問題の本質・・
・市原イビチャ・オシム監督のプロ魂・・走るというサッカーの原点を見つめ直させてくれたプロフェッショナルコーチ・・
・ギド&ゲルトのコンビによって解放された浦和レッズ・・
・海外(フットボールネーション)の厳しい環境こそが能力を開花させる・・戸田の真摯なメール・・
・ドイツサッカーが怠っていたこと・・ドイツサッカーの光と影・・

どれもこれも興味深い内容です。今すぐ読みたいくらいです。とにかく「監督」という視点からサッカーを読み解くというのは、サッカー観戦においても面白く、湯浅氏のコラムを読んでばかりいたら、いつの間にか試合観戦していも監督心理を読みつつ観るようになっている自分がいました。プレー経験がなくとも監督になれるサッカー監督というのは、どんなものなのか興味がありませんか。ぼく自身は、オフトがレッズの監督になりチームを改革したことが、強烈な“監督体験”として刻まれています。

そして、bloggerにとって気になるのは、なんと書籍の解説を担当しているのがキムタケこと木村剛氏なのです(!)。KFi Clubのオフ会でサッカー談義させて頂きましたが、木村氏もかつてはプレーヤーで本当にサッカーが大好き。木村氏がピックアップしたという「パーソナリティーという監督の資質」というテーマは当然のこと? サッカーと経営経営は対に語られることも多いと思いますが、それを論じているのが木村氏ということで、さらに興味津々です。

木村さんは、「パーソナリティを持つ経営者よ、出でよ!」と題した解説文で、そのテーマを、こんなふうに料理してくれました。『個性豊かで扱いにくい個人事業主たちにチームとしての共通目的を認識させ、彼らが、チームの目標を達成するために、それぞれが最大限の力を発揮させるように仕向けるのが監督の本質的な仕事・・だから彼には、個性的な能力や人間的魅力を具備することが求められる・・それがパーソナリティという能力・・選手自らが考えて判断・決断し、勇気を持って実行する姿勢を選手個々人から導き出すのが、パーソナリティという能力・・これも企業経営にピタリと当てはまる・・優れた経営者になるためには専門知識も必要だが、それだけでは足りない・・会社組織は人間の集合体だから、社員たちを会社共通の目的・目標達成に向けて最大限の力を発揮させることができる個性的な能力や人間的魅力が求められる・・喜ばしいことに、少なからぬ日本企業が復活を遂げていく中で、魅力的なパーソナリティを持つ経営者たちが目立つようになってきた・・私は、ヴァイスヴァイラーが説くような監督=経営者が陸続として日本企業に出現することを強く望んでいる・・そのことこそが日本経済を本格的に復活させていくに違いないからだ・・個々の日本企業が「クリエイティブなムダ走り」を厭わずにチャレンジするようになったとき、日本は「失われた十年」を昔話として笑い飛ばせるようになるだろう・・』。

企業における「クリエイティブなムダ走り」、考えさせられますね。