ビル・アトキンソンが語る「Mac誕生ストーリー」です。

アトキンソン氏はApple Computerを退社したあとGeneralMagic社を創業したが、現在は写真家として活動している。今回の来日は同氏の初の写真集「WITHIN THE STONE」の完成を記念して行われたものだ。講演のタイトルは「私の人生とMacintosh」。なかでも初代Macのユーザーインターフェース誕生の様子に多くの時間が割かれた。

ビル・アトキンソン氏と言えば、初代Macの開発メンバーにしてMacPaintやHyperCardの開発者です。コンパクトタイプのMacintosh SE/30からMacユーザになったので、ぼくも思い入れがあります。「Macは革命的だった。人々が初めて真にほれ込むことのできたコンピュータだといえるだろう」というコメントは、同意です。擬人化されるコンピュータというのは、Macが初めてだったと思います。「初代Macに搭載されたソフトウェアのうち、約60%はアトキンソン氏の手によるもの」だったそうです。

Macの原型がMacより1年前に生まれたLisaにあり、しかしそれは価格が高くて一般の人の手に入るものではなかったのは有名な話ですね。しかし、GUIを備えるなど、画期的な製品ではありました。など、Macの開発に関する話が講演では話されたそうです。

アトキンソン氏は自宅で多くの開発作業を行っていたといい、その成果を社内の人と共有するために開発画面を写真に撮っていた。

今回はその写真も公開されていたようです。

例えばディスプレイは、当初黒の背景に白で文字が表示されていた。しかしアトキンソン氏は、グラフィックスを扱うのであれば、印刷と同じように白地に黒で画面が表示される必要があると訴えたという。

白い部分が多くなると画面の焼き付きやちらつきを抑えるためにコストが高くなるのですが、「グラフィックスをやるならこれしかない」といって実現させた逸話や、初代Macに同梱されたMacPaintにはMacのインターフェースに慣れてもらう狙いがあったという話が語られたそうです。

初代MacとPower Mac G5を比較し「感覚的に言って価格は3倍程度だが、現在のMacは6万4000倍のRAMと350倍のディスク容量、2万倍のプロセッサスピードを備えている」、さらに「20年間で正直よくここまで来たと思う。あと20年なんとか生き延びて、20年後を楽しみにしたいと思う」とコメントしたそうです。

なんだろうなぁ。Macの物語は人間味があって、好きなんです。Macを使い始めて15年くらいですが、これまでを振り返ると本当によくここまで来たなぁ、という、アトキンソン氏と同じ感想を漏らしたくなります。そして同様に、20年後のMacも見てみたいですね。